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鍵のかかる部屋

認知症患者は、入院すると鍵のかかる病棟に入れられる。
仕方がないこととはいえ、一番初めにその事実を知った時には、ショックだった。
父を入院させた最初の病院に下見に行った時に、それを知った。

親を、鍵のかかる部屋に入れる。
という経験は、なかなかのものだ。
ひとことで言い表すことはできない。


私の父は鍵のかかる部屋に入れられているのに、なぜ舅は娑婆で自由に暮らせているのか。

父を入院させて以来、私の心の中には割り切れない思いがあった。
だが最近、やっとその気持ちが吹っ切れた。


舅は、自分の土地、お墓のことを考えて、心配で心配でならないのだ。追い出した末娘の娘、つまり孫娘夫婦に「夫婦養子にならないか」と持ちかけられたが断られた。
舅の頭の中には、土地とお墓と、(とうとう面倒を見てくれなかった)子どもたちの怨念が詰まっている。

養子をとったにしても、しょせんは他人。
お墓の面倒など見てくれるはずはない。
父や家の固定資産税を払うより、全部売っぱらって現金を山分け。
二人の間には、すでにその筋書きができているのだろう。
お墓はたぶん、ほっぽりっぱなしになってしまうに違いない。
その結末が見えているだけに、「財産、財産」とこだわる舅が逆に哀れに見える。

それに比べれば、父は何の心配もないところにいる。
寝たきりで、鼻から管を入れ、栄養を入れている状態だけれども、自分の行く末のことや、財産の管理(たいしたものがあるわけではないが)など、娑婆の悩み事とは、縁のないところにいってしまった。


いつ見舞いに行っても、うつらうつらしている父の心は、いま、どこを彷徨っているのだろう。
人間の「死」は、どこから始まり、「生」はどこで終わるのだろう。



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(2008/01/25)
真島 久美子

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プロフィール

真島久美子

Author:真島久美子
エッセイスト
56年生まれ、東京育ち
武蔵大学人文学部卒
漫画家としてデビュー後、
30回以上のお見合いを経て結婚、その体験を「お見合いの達人(講談社)として出版、ベストセラーに。
他には「たたかう!落ちこぼれママ」「兄弟は他人の始まり~介護で壊れゆく家族」「やっぱり公立!それでも私立?」など。
趣味は茶道、バレエ鑑賞
夫ひとり、娘ふたりの4人家族

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